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【腰椎変性すべり症】腰から足へ広がる痛みと痺れ、中高年女性に多いすべり症

こんにちは!

町田・相模原で唯一の【腰痛専門】整体院カイルの院長 渡辺貴大です^ ^
今回は腰椎変性すべり症についてお話していきます。

すべり症という名称は聞いたことがある方が多いかと思います。
簡単にいうと、すべり症は背骨がズレてしまう状態です。
そして、すべり症にも種類があり、年齢や性別によって変わってきます。

〜すべり症とは〜

腰椎は5つあり、正常であれば正面からみても、横からみてもきれいに配列されています。
靭帯や椎間板、関節包で固定されているので、よっぽどのことがない限りずれることはありません。

しかし、椎間関節や椎間板に異常があることで固定が弱まり、腰椎ズレてしまうことがあります。
これをすべり症といいます。

画像は左が正常、右がすべり症

すべり症には前方すべり症と後方すべり症があり、ほとんどが前方すべり症です。

またタイプが3つあり①形成不全性すべり症、②分離すべり症、③変性すべり症となります。

【①形成不全すべり症】

形成不全性すべり症は、生まれつき腰椎の形成が不完全であるために腰椎にズレが生じてしまいます。
比較的まれな疾患です。

【②分離すべり症】

分離すべり症は、分離症があることで腰椎を繋ぎ止める力がなくなってしまい腰椎がズレてしまいます。
分離症は腰椎の椎弓や関節突起に骨折がおきてしまい、骨の連続性が断たれた状態です。
成長期にしばしば発生し、早期に発見され適切な処置をすることで、骨が癒合しますが、
見逃されてしまいそのまま成人した場合は、骨癒合は期待できずに腰椎が不安定な状態となります。
その結果、分離すべり症に発展します。
分離すべり症は第5腰椎に多いのが特徴です。
分離症自体は日本人の5〜7%にみられるとされています。その内の一部が分離すべり症に発展します。

③変性すべり症

最も頻度が高く、手術が必要となってしまうケースが多いのが変性すべり症です。

変性すべり症は第4腰椎が多く、次に第5、第3腰椎となります。
女性に多いとされていて、閉経を機に発症することが多いです。
女性ホルモンの影響や骨粗鬆症により脊椎の安定性が減少し、腰椎にすべりが生じてしまうのです。
事実、変性すべり症の方には椎間関節の変性がみられ、関節炎を起こしているとされています。

 

腰椎椎間板症、腰椎椎間関節症、腰椎不安定症の特殊型と考えることができます。

40歳を過ぎた女性で、背骨の配列に乱れがある場合は腰椎変性すべり症が強く疑われます。
→背骨の骨の出っ張り(棘突起)を指でたどると階段状変形を確認することができます。

〜変性すべり症の症状〜

すべり症の中でも、変性すべり症にお悩みの方が多いので詳しく説明します。

【主な症状】
・腰痛
・下肢痛
・下肢のしびれ

変性すべり症では椎間関節の変性があることによって、脊柱管をが狭くなります。
↓画像は左が変性初期、右が変性中期

よって脊柱管狭窄症と同じような状態となるので、間欠性跛行を呈することもあります。
歩行障害、足のしびれ、足の冷感、つりやすいなど様々な症状がみられます。

「中腰でも反るような姿勢でも、しばらく同じ姿勢をしていてから次の姿勢に移る時に痛みがでる」
「歩いていると足が痛くなったり、しびれが出てきて歩けない」
「座っていてから、立ち上がる時に腰やお尻、太ももの後ろに痛みがでる」

といったことを訴える患者さまが多いです。

座っている時には症状は出にくく、立ち上がると症状が出現します。
さらに長時間の歩行を行うことでより症状が強く出現します。
状態が悪化すると座っていても症状が現れるようになります。

〜もし症状が出現したら〜

まずは診断を受けるために、整形外科を受診することをおすすめします。
すべり症はレントゲンにて確認することができます。
すべりの度合いと症状から改善方法を決めることとなります。

高齢になると男性でも変性すべり症になる場合があります。

手術無しの保存療法で改善することもありますし、手術を行わないと改善が見込めないものもあります。

変性すべり症が高度の場合、同時に他の部位の脊柱管狭窄が存在することがありますので、
より精密なMRI検査が必要になります。さらに詳しく検査をする場合は脊髄造影とCT検査を行うことになります。
脊柱管狭窄が原因で症状が出ている場合は改善の方法が変わってきますので、正確な診断が重要です。
信頼と実績のあるドクターにかかるようにしましょう。

〜保存療法〜

痛みやしびれが強くある時期は、基本的には安静を保つことが大切です。
身体に負担のかかる作業や、長時間の歩行は極力控えましょう。
日常生活ではコルセットをつけるようにすると腰椎にかかる負担が軽減できます。

すると、痛みやしびれが少しずつ軽減してくると思います。
このタイミングから徐々に活動量を増やしていきます。
痛みとしびれの強さを指標にして、無理のない範囲で生活を行います。

腰が痛いからといって、腰部に強いマッサージを行うのはおすすめできません。

大切になってくるのが体幹部の筋力強化です。
体幹部の筋力が弱ってしまうと背骨がグラグラになり、すべりが進行してしまいます。
背骨の周囲にあるインナーマッスルを強化して、脊柱の安定性を獲得します。

さらに姿勢を改善していきます。
すべり症になる方の多くが、腰部の前弯(反り)が過度です。
すると、腰椎にかかる前方へ剪断力が強くなってしまいます。
過度な腰椎の前弯を調整して剪断力を減らしていく必要があります。

また股関節の柔軟性を獲得し、股関節を使った動作を習得することも大切です。
硬くなった股関節のままで動作を行うと、本来動くべきはずの股関節ではなく腰が過剰に動いてしまいます。
腰は構造的に脆弱なので、可能な限り腰での動作を少なくし、頑丈な股関節での動作を体に覚えさせることで、
腰を守ることができます。

〜どの様な場合に手術となるか?〜

症状の程度によって手術を検討するか変わってきます。すべり症があるからといって、すべて手術適応となるわけではありません。
すべり症と診断されても、若干の痛みやしびれはありますが日常生活には支障がないため手術はせずに、
調子の悪い時のみ施術を受けているという方もいらっしゃいます。

基本的にはまずは保存療法を試してみて、それでも改善がされない場合は手術となります。

しかし、すべり症にも手術の絶対適応があります。
絶対適応とは、この症状がみられたら積極的に手術を勧められるものです。

手術の絶対適応症状
・膀胱直腸症状
・簡単な日常生活動作がおこなえない
・日に日に症状が増悪している
・間欠性跛行で100メートル以上あるけない
※間欠性跛行:歩行していると腰痛、下肢痛、しびれなどの症状が出現し、歩行の継続が難しくなるが、休むと比較的速やかに改善し、再び歩行が可能になる。このように断続的な歩行となる状態。

上記のような場合は手術の適応となることが多いです。

絶対適応の症状がない場合は、患者さんそれぞれの生活スタイルや年齢や患者さんの意向を考慮した改善方法がとられます。

ドクターによっては画像所見のみで手術をおこなうかどうかを判断する場合がありますが、
画像所見と実際の症状には解離があることが多いので、あくまで画像所見は参考までにするべきと思います。

すべり症は悪性疾患ではないので、生活レベルを少し落とすことで症状は落ち着きます。
焦って手術にすぐに踏み切るまえに、保存療法をおこない改善を試みるのが良いかと思います。
保存療法をおこない、症状が緩和してきた段階で生活レベルを少しずつあげていくことになります。

 

 

 

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